FC2ブログ

発達障害の方の「コミュニケーションが苦手」とは

よく発達障害の方の親御さんから、「(発達障害の)うちの子は、コミュニケーションが苦手で・・・・」という話をされる機会があるのですが、僕は、具体的に、どう苦手なのか、ちょっと前までわかっていませんでした。

臨床心理学の本にも、「他人とのコミュニケーションが苦手」というようなことは書いてありましたが、あまり詳しく書かれていなかったので、去年の初め頃までは、あまりわかっていなかったのです。

でも、いくつか、実例を体験して、それがどういう「感じ」なのか、よくわかるようになりました。

■実例1
奥さんがつわりで苦しんでいると、「堕ろしてもいいよ」などと言ってしまう。

■実例2
知り合いに、検査でガンが見つかった時「良かったね」などと言ってしまう。

■実例3
「その態度は何だ!」などと怒られると、「態度」が問題なんだと思い込んでしまい、表情やしぐさなど、本質とは違うことを直そうと必死になってしまう。


いずれも、ご本人には全く悪意はないのですが、いや、無いからこそ、周囲の人を傷つける結果になってしまいます。

「堕ろしてもいいよ」というのは、目の前で奥さんが苦しんでいるのがかわいそうだと思い、そのように言ってしまうのです。
悪意は全くありません。
でも、言われた方は「悪意はないんだ」とわかってはいても、やはり傷つきますし、悪意がないことがわかっているので、言い返すこともできず、一人で苦しむことになります。

ガンの例では、「ガンを見つけるために検査してるわけだから、見つかったのはよいことだ」と考えて、そう言っているだけです。
もちろん、この例でも悪意は全くありません。

「態度」の例では、問題の本質は何か他のことにあり、その結果として「態度がどうのこうの」と相手が怒っているんだということにまでは推測することができないだけです。

すると、ご本人は「よい態度とは?」と一生懸命考えて、自分の表情や仕草、姿勢などの「表面的な態度」を直そうと必死になってしまったりします。
しかし、それは相手の怒りの本質ではありませんから、それで何かが解決することはありません。

その結果、ご本人は一生懸命努力しているのに、まわりからは、相変わらず叱られ続けたりするため、ご本人は「自分の親や学校の先生は(その努力や自分の気持ちを)「全然わかってくれない」と感じることになってしまうようです。

発達障害を抱えた子供はいじめの対象になりやすいです。
子どもは、自分たちとちょっとでも違うと、からかったり、意地悪したりすることがよくあるからです。
そして、いじっめっ子というのは、ちょっとずる賢いことが多く、大人たち相手にうまく立ちまわったりする「悪知恵」が働いたりすることも多いようですが、逆に発達障害の子には、そんな悪知恵は働かないことが多いのです。

その結果、親や先生に叱られるのは、いつも「不器用」な発達障害の子どもの方ばかり、ということが起きるようです。

そんな状態が続けば、誰だって学校になんか行きたくなくなりますよね。

このようにして、発達障害のこどもには登校拒否になっていきます。

このようなケースでは「自分の努力や気持ちを親が全然わかってくれない。親は私を愛してくれない」と本人が思っているので、将来、深刻な家庭不和を生みだすことがあります。

こどもが小さいうちは、まだ、しぶしぶでも、親の言うことに従うのでしょうが、やがて大きくなり、腕力も知力もついてくると、もはや親の手には負えないようになり・・・という例を僕は、実際に見てきました。

ゆがんだまま大人になってしまうと、それを修正するのは容易ではありません。

ですから、発達障害のこどもに不登校などが見られたら、とにかく、「早く」対応しなくてはいけません。

「わかってくれない・愛してくれない」という恨みにも似た感情を抱えたまま大人になってしまえば、もはや社会への適応は不可能になってしまいます。


また、別の事例では、下記のようなものもありました。

その子は、僕に「受付の人がにらむから医者には行きたくない」と言いました。

「先生がにらむから、学校へ行きたくない」と言い、学校にも行かなくなりました。

そのうち、「お父さんがにらむ」「お母さんがにらむ」と言うようになりました。

もうおわかりかと思いますが、この「にらむ」といのは、その子の被害妄想だと考えた方が無難です。

そんなに周囲の方が、そろいもそろって、その子のことをにらむというには、不自然で考えにくいからです。

この場合、対処方法は、僕にはわかりません。

ご両親も困り果てて僕のところへやってきたのですが、僕にも何もできませんでした。


僕は、4年間の経験から申し上げるのですが、当方では「こどもへの対応」はできません。
それは、大人と子どもでは、全く対応方法に違いがあるだろうと思われることの他、僕は児童心理学も学んでいないからです。

以前は、「子どもでも対応してもらえますか?」と聞かれたら「まずは、お話を聞かせて下さい」と答えていましたが、何件か上記のようなケースを体験して、僕に子どもの対応はできないことがわかったので、今は、最初から対応できない旨説明して断ることにしています。

「冷たい」感じを与えるかもしれませんが、どうせ力になれないことがはっきりしているのであれば、最初から変な期待は持たせない方が良心的というものでしょう。

この先、こども相手のよい医療機関やカウンセリングルームが見つかったら、そういうところを紹介するようにしていきたいと思っています。
プロフィール

「こころケア」カウンセラー平山靖高

Author:「こころケア」カウンセラー平山靖高
神奈川県川崎市中原区でカウンセラーをやってる平山靖高といいます。
1960年代の生れで、1980年代に早稲田大学を卒業後、富士通に就職。2014年に富士通を退職し、2年間バイトをしながら、カンセリングや心理学を学び、2016年7月にカウンセリングルーム「こころケア」を開業し、現在に至る。
離婚経験があり、現在は独身。ちなみに子供はいません。
詳しい自己紹介をブログ本文に載せているので、是非ご参照下さい。


ビール,音楽(最近のお気に入りは米津玄師のLemon),韓国旅行が好きです。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター(PV)
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

タグ

カウンセリング アダルトチルドレン 防衛機制 パーソナリティ障害 自己紹介 PayPay 富士通 愛着障害 カウンセリング技法 コミュニケーションスキル 開業 自己開示の返報性 返報性 多重人格 解離性同一性障害 好意の返報性 自尊心 完璧主義 職業倫理 早稲田大学高等学院 アディクション 嗜癖 適応障害 強迫神経症 ドア・イン・ザ・フェイス タイガーウッズ カウンセラー ADHD フット・イン・ザ・ドア 発達障害 大学時代 カウンセリング料設定 来談者中心療法 退職 離婚 早稲田 結婚 認知行動療法 統合失調症 カサンドラ症候群 GW JetSki 新婚生活 高校時代 依存症 ゴールデンウィーク 笑顔 上手なNOの言い方 完璧主義の治し方 ペット 年金 分離 投影 投射 カタルシス 子猫 里親募集 歯磨き 消費税 増税 不眠恐怖症 不眠症 自己肯定感 忖度 DV 同一化 Mami 韓国 ノンバーバルコミュニケーション 守秘義務 リストカット 摂食障害 アサーション 対話分析 バーバルコミュニケーション 逃避 性的暴力 補償 昇華 知性化 合理化 平成 令和 うつ 

「こころケア」公式SNS
「こころケア」アンケート
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR